お金に負けそうな恋愛話

恋愛

だいぶ昔のことだけど、思い出す度に「不思議な感情だな」と思います。

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仲良くなったきっかけ

コロナの頃、海外旅行に行けなかったので、同僚に誘われたことがきっかけで、山登りにハマっていました。

台湾では、日本ほどバスが多くなくて、山に行きたければ車がないと不便です。当時、車を持っているTくんが、よくみんなを乗せて一緒にハイキングしていました。

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ある日、他の人がちょうど予定が合わなくて、空いているのは私とTくんだけになりました。Tくんは遠慮するように「行きたい?」と聞いてきて、私は「ハイキングだし、4人でも2人でも別にいいじゃない」と思って、一緒に行くことになりました。

そして、普通にハイキングは楽しくて、たまたま他の人の予定がだんだん合わなくなっていって、
二人で行くのが楽だったので、よく二人でハイキングするようになりました。

台湾男子の定番、送迎!

Tくんは台北に住んでいて、車で桃園まで通勤していました。

私はたまに用事があって、退勤後に台北に行くことがありました。そのとき、Tくんに車に乗せてもらっていました。

そうなると、朝はバイクで出社して、帰りにTくんに台北まで乗せてもらって、用事をすませたらバスで家に帰って、また次の日に会社に行ってバイクを取りに行く…という感じでした。

そんな中で、Tくんが「朝、迎えに行ってもいいけど、どう?」と言ってくれたので、お言葉に甘えて「お願いします」と返しました。

<ちなみに、私の家は高速道路の出口のすぐ近くで、Tくんに順路です。>

山登りのあとも、家まで送ってくれた

週末のハイキングで、台中の山に行くときは、Tくんが順路で迎えに来てくれて、帰りも家まで送ってくれました。

でも、宜蘭の山に行くこともありました。

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私は彼女ではないし、普通の友達なので、ハイキングが終わったら台北駅からバスで帰るつもりでした。でもそのとき、Tくんが「家まで送ってもいいけど、どう?」と言ってくれました。

全然順路じゃなかったので、さすがに図々しい私でも「それはよくないな…」と思って断りましたが、「そんなに時間かからないよ、高速ですぐだし」とまた言ってくれて、しかもその日のハイキングが結構きつくて、もうクタクタだったので、また「じゃあ…お願いします」となりました。

不便なところを助けてくれる優しさに、私は弱いのかもしれません。

気遣い上手なTくん

ハイキング以外にも、普通に食事したり、旅行したりすることもありました。

Tくんはとても気遣いが上手な人です。一番印象に残っているのは、タクシーのことでした。

ある日、一緒にご飯を食べていたとき、外で雨が降り始めました。食事が終わっても全然止みそうになくて、お互いに傘を持っていませんでした。

TくんはMRTの駅に行けばすぐ帰れるけど、私はMRTに乗ってからバス停まで少し歩いて、そこからバスに乗って桃園に帰らなければなりません。

傘を買うか、もう少し待つか迷っていたら、Tくんが呼んだUberが店の前に来ていました!

「え?いつ呼んだの?」と私が聞くと、「早く乗って」とTくんが言いました。

「えっ?私のバス停がどこか知ってるの?」と思ったけど、まるで知っていたかのようにUberは正しい場所に止まりました。私はそこでバイバイすると思っていたのに、Tくんも降りてきて、一緒にバスを待ってくれました。

そんなにしてくれなくてもいいのに…と思ったけど、ちょっと嬉しかったです。

深いな話がしない

二人きりのことが多かったけど、深い話はほとんどしませんでした。

山登りで仲良くなる前は、同じ職場でも、あまり話したことがありませんでした。他の同僚から「口が悪い人だよ」と聞いて、むしろTくんのことが苦手でした。

頻繁に出かけるようになってからも、会話の中で他の人をバカにしているような話が多くて、会話をしていて「この人、素敵だな!」とはあまり思いませんでした。

私はTくんの優しさに甘えていて、一緒に出かけるのが一人より楽だったので、その微妙な関係は、結構長く続きました。

マザコン気質

ある日、ハイキングに行くとき、雨が多い宜蘭で珍しく晴れていて、青空を見たTくんが「母さんに見せたい!」と言って、写真を撮ってLINEで送りました。

そういうときにお母さんを思い出す男性…珍しいですね。

たまにハイキング中にもお母さんとLINEをしていたし、一緒に泊まったときには、お母さんと電話もしていました。

Tくんの優しさは、お母さんと妹さんが育てたものだと思います。

ちなみに、Tくんが元カノと別れた理由は、お母さんがその元カノのことをあまり好きじゃなかったからだそうです。

他の同僚からのアドバイス

休日に一緒に出かけていることは隠していたわけではないので、SNSにも普通に写真を載せていました。周りの同僚たちも、私がTくんと仲が良いことを知っていました。

ある日、仕事が遅くなって、気がついたらオフィスに私とPくんの二人だけになっていました。

すると突然、Pくんが「Tとはどうなの?」と聞いてきました。

Pくんは仕事でTくんと関わる時間が長く、男同士ということもあり、参考になるかと思って、私が感じていることを相談してみました。

金門

私は、Tくんのことを好きかどうかは自分でもよくわからないこと、性格にちょっと気になるところがあるけれど、優しさには惹かれていること、でも彼の行動はよく読めない…といろいろ話しました。

するとPくんは、「正直、Tのどこがいいのかわからない。テスには釣り合わないし、お金を持ってる以外に良いところなんて思いつかない」と、なかなか厳しいことを言ってきました。

それを聞いて、「ああ、私はTくんの優しさに甘えて、無理に好きになろうとしてたのかもしれない」と、改めて気づかされました。

<Tくんの性格の欠点については、書くと長くなるので今回は省略します。>

高級車に惹かれていた私

ここからが本編かもしれません(笑)。

Tくんは、家族が台北駅の近くにいくつも不動産を持っている、いわゆるお金持ちの子です。給料では到底買えないような高級車で出社していたので、社内でもかなり目立っていました。

そして、正直に言うと、私はその高級車に惹かれていたかもしれません。

黒い車

高級車の助手席に座ると、自分もなんだか偉い人になったような気分になっていました。送迎されるだけで、そんなに気持ちが変わるとは、自分でも驚きでした。

お金への複雑な気持ち

私は昔から、お金に対して複雑な感情を持っています。お金が欲しいと思う一方で、お金持ちにはどこか敵対心のような感情があって、自分でも極端だなと感じることがあります。

それは、子どもの頃にあまり裕福ではない家庭で育ったせいかもしれません。

「俺はお金あるぞ」と堂々とアピールするような人に対しては、確かにお金があるのは魅力に見えるけど、同時に「負けた…」というようなモヤモヤした気持ちも湧いてきます。

特に、自分で努力して稼いだお金ではなく、親のお金を恥ずかしげもなく使っている人を見ると、腹が立つ反面、羨ましいとも思ってしまいます。複雑ですよね。

なぜ親のお金で高級車に?

Tくんも私と同じエンジニアで、給料に大きな差はないはずです。だからこそ、なぜ高級車を持っているのか、その気持ちを知りたくて、直接聞いてみました。

すると、答えは「好きだから」というシンプルなものでした。

私は心の中で「好きなら、自分で働いて買ってよ! 親のお金を使うのは情けないよ!」と思いました。

お坊ちゃん

でも、私自身も助手席に座るだけでパワーを感じていたので、自信がない人ほど、あの車から得られる“力”を求める気持ちは、少し理解できる気もします。

尊敬している先輩に「車で人を判断してはいけない」と言われたことがあります。でも現実には、社長が高級車を運転しても誰も驚かないけれど、明らかにその車を買えない人が高級車を運転していると、周囲の話題になるものです。

それって、その人の評価が車の“下”にあるように感じられてしまうのかもしれません。

Tくんがどんなふうに見られているかを気にせず高級車に乗っていることに、私は魅力を感じませんでした。

嫉妬と冷めた気持ち

Tくんと過ごすうちに、彼の家族の状況もわかってきて、羨ましさと嫉妬の気持ちが強くなっていきました。

「この人と一緒にいたら、お金のことを心配なく、楽できるかも…」という気持ちが出てきたり、でも毎回の会話で「やっぱりこの人のこと、好きにはなれないわ」と冷めた気持ちを感じたり、その繰り返しでした。

あとたまに優しさに惹かれることもありました(笑)。

最後の旅行

最後に一緒に出かけたのは、4泊5日の旅行でした。

初日の夜、民宿のオーナーたちと夕食をしてお酒を飲んでいたのですが、私はおじさんたちのつまらない話に飽きて先に部屋に戻りました。Tくんは残って飲み続けていました。

夜10時頃、オーナーが来て「お友達、酔い潰れちゃったよ」と伝えてきました。

見に行くと、Tくんがテーブルに伏せて寝ていて、声をかけたら、酔っ払い特有のどうでもいい話ばかりしながら、突然吐き始めました。床やテーブルに大量に吐いて、そのまま床に寝てしまいました。

オーナーが片付けてくれていたのですが、私は手伝いませんでした。「お酒を出したのはあなたたちでしょ」と、ちょっと冷たい気持ちになっていました。

酔っ払った

オーナーは「吐しゃ物で窒息する可能性もあるから、必ずそばにいてね」と言って帰っていきました。

その後、Tくんは何度も「ごめん、ごめん」と謝りながら、吐しゃ物の上で寝たり起きたりしていました。潔癖症の彼がこんな姿になるなんて…と驚き、何も言えませんでした。

翌日、何事もなかったかのように…

2時間ほど経って、Tくんが少し落ち着いてきたようだったので、私は部屋に戻りました。

深夜2時頃、Tくんが部屋に戻ってきて、まだ酔っている様子でしたが、シャワーを浴びて、「もう誘ってくれないの?」と寂しそうに聞いてきました。

私は「当たり前でしょ!」と思いましたが、口には出さず、「そんなことないよ、早く寝なね」とだけ言いました。

そして翌日、まるで昨夜のことがなかったかのように、Tくんは私と観光に出かけました。体調が悪いはずなのに、「大丈夫だよ」と言って、昨日の話は一切しませんでした。

自然な終わり方

旅行はそのまま何事もなく終わり、Tくんが酔っ払ったことは一度も話題に出ることはありませんでした。

でも、私はあの夜のインパクトが強すぎて、「好きかも」という気持ちも完全に消えてしまいました。

Tくんもその変化を感じたのか、それから自然と一緒に出かけることはなくなりました。

彼女ができて、すぐ結婚

私たちが出かけなくなって1ヶ月ほどで、TくんがSNSに彼女との投稿を頻繁にするようになりました。

結婚

後から聞いたところによると、Tくんのお母さんが管理している物件に住んでいる女性のことを気に入って、Tくんに紹介したそうです。その女性と出会って、すぐ付き合い始め、1年後には結婚して、今は子どももいます。

私は元同僚として結婚式に出席しました。面白かったのは、結婚式のスライドに流れていた奥さんとの写真が、私と一緒に行った場所ばかりだったことです。あの地獄の旅行も、奥さんともう一度行ったそうです。

めでたい、めでたい。

結婚相手としての自分

Tくんの奥さんを見て、「やっぱりお母さんが好きなタイプの女性が選ばれたんだな」と思いました。

子どもが欲しくないと言っていた私より、年下で子育てのために仕事を辞める女性の方が、Tくんにとっては理想だったのかもしれません。

元同僚の集まりでTくんの奥さんに会ったとき、料理も上手でとても素敵な方でした。Tくんにはもったいないくらい(笑)。きっと、私が見逃していたTくんの良さを、奥さんは見つけたんでしょうね。

私ってどう思われてたんだろう?

Tくんは、出かけるたびにSNSに写真をたくさん載せていました。

ツーショットや、後ろから私を撮った写真、彼氏目線のような食事中の写真まで。まるで「俺、モテてるんだぞ」とアピールしたかったのかもしれません。

社内恋愛

SNSだけ見たら、私たちが付き合っていると勘違いする人もいたかもしれませんが、実際には、曖昧な雰囲気は一切ありませんでした。

何度も同じ部屋に泊まったり、Tくんの家に泊まったこともありましたが、指一本触れられたこともありませんでした。本当に、絶妙な距離感を保っていたと思います。

結局私たちは…

深い話をしたことがなかったので、「友達」とも違う気がします。でも、ただの同僚という関係を超えていたのは間違いありません。

お互い、相手のことを「好き」にはなれなかった。でも、少なくともTくんにとって、私は大事な存在だったのかもしれません。

カナダに行く前に、Tくんが奥さんと日本旅行で買ったお守りをくれて、「君のおかげで転職する勇気が出た」と言ってくれたことは、今も印象に残っています。

今でもたまに、仕事の話だけで連絡を取っています:)

テス
テス

もしあのとき、Tくんが積極的にアプローチしてきてたら、私は落ちてたかもしれない!

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