化学出身の台湾人の私が、台湾でIT業界に転職できました。台湾と日本のIT業界は、やり方も職種も違って、その違うところを詳しく話したいと思います!また、専門用語を私ができる日本語でなるべくわかりやすく説明します。
なんで転職したい?
「ブログ始めたきっかけ」って記事を読んだ方ならたぶん分かると思います。ずっと自分の仕事を好きではないです。
「仕事は仕事、好き嫌いに関係ない」と思う方もいるけど、私にはそういう考えをずっと納得いかないです。
人生のたぶん1/3の時間は仕事に使うのに、1/3の時間を自分が好きでもないことに使う人生って退屈ではないでしょうか?
家族のためお金のため、我慢しないといけないこともあるとわかっているけど、幸いに私にはまだそういう悩みがないです。
仕事したくない病がひどくなってきた
実はもっと早めに転職したいと思っていたけど、コロナで色々動けなくなっちゃって、落ち着く前に大人しく働いていました。
あの時出社して「おはよう」の次は、「仕事したくない~」って毎日のように仲良しの同僚に愚痴っていました。全くやる気がありませんでした(笑)。
コロナが落ち着いて、すぐカナダワーホリの申請を出して、カナダに行って帰ってから正式的にプログラミングを勉強し始めました。
日本で30代転職のイメージ
日本企業向けの求人エージェントに登録して、担当者に相談してもらいました。日本企業も台湾文化も詳しい方から聞いた話しですが、日本だと30代で全く違う業界に転職することは台湾より難しいです。
日本では卒業する前に就活するけど、台湾は卒業後から始めてもおかしくないです。それに、台湾では海外に行くことも日本より多いらしいです。例えば短期留学、ワーホリ、さらに仕事を一旦やめて、大学院や博士に進学する人も少なくないです。
台湾で30代はまだギリギリ若いと思われるけど、日本では30代はもう落ち着く年頃です。20代のは新人として頑張って、30代は管理職を目指すみたいなロードマップが一般的です。だから30代がまだ20代みたいにゼロから頑張るというのは、受け入れない企業もあって、台湾より難しいです。
なんでプログラミング?
化学出身だったけど、正直なところ、多分1年生から化学に興味がないって気づきました。むしろ最初から好きで選んだわけではありませんでした。
「好き嫌いに関係ない、将来ちゃんと稼げる仕事を見つけるなら、この道は間違いない」ような考えで、学部を変えたりすることは考えたことはなかったです。
情報学部に憧れた
昔から「パソコンかっこいいな~」と思って、自分で組み立てみたかったし、大学進学する時「数学苦手な人は情報学部に向いてない」って誰かに言われて諦めました。
そして台湾は結構「学歴社会」っていうか、総合職みたいな仕事が少なくて、技術職の方が多いです。なので企業は学部に拘っています。理系だとしても、情報学部出身ではなかったら、プログラミング関連のIT業界に入りにくいです。研修制度があっても、あくまで何週間~1ヶ月の程度で、1から人材育成する企業は僅かに少ないです。
ということで、憧れはずっと憧れのままでした。
友人が転職できた
3~4年前から同じ化学出身の友人、先輩の何人も、ゼロからプログラミングを勉強して転職できました!
ずっと不可能だと思っていた私だけど、「彼らはできるなら、私はできないわけないじゃない?!」と思い始めました。
失礼なこというけど…大学の時彼らより私の方はずっと努力家で優秀だった!努力すればできることなら…私は負けないよ!
目標の職種
求人数と初心者も習得しやすい言語を考えると「JavaScript」という言語を選びました。私が興味あるのは、ウェブサイト制作やアプリ制作だけど、アプリだとAndroidとiOSに分けていて、初心者は一つを選んで勉強していくので、求人数も半分になります(iOSの方は求人が多いと聞いた)。
ウェブサイト制作の言語は「JavaScript」一択のようです。こちら日本の「人気プログラミング言語ランキング」です。台湾でも日本でも「JavaScript」は一番人気のようです。
プログラミングを知らない人も聞いたことある「Java」、「C++」を選んでなかった理由は、初心者にハードルが高いです。一番転職しやすい分野から始めたいと思っています。
台湾と日本、職種が違う
日本と台湾のプログラミング業界は職種はかなり違うようです。日本ではシステムエンジニア(SE)という職種があるけど、台湾にはありません。
会社によってマネージャーのPMとリーダーのPLがいるけど、SEとプログラマーの仕事は一人でやります。なので会社によって仕事の内容はプログラマーに近い求人だと給料は安いです。SEとプログラマー全般的な仕事の内容の求人だと給料が高いと見られています。
初めて日本人の知り合いから「SE」って聞いた時「ん???」ってなった。システムエンジニアって言われても…どんな仕事は想像つかなかった
フロントエンドとバックエンド
ウェブサイトの仕事は、「今」フロントエンドとバックエンドに分けています。
フロントエンドは、ユーザーが見れるウェブサイトの画面のことです。バックエンドはユーザーが見れないデータを管理などのことです。例えばユーザーの個人情報はバックエンドが管理しているデータベースに保存されていて、フロントエンドはバックエンドからデータをもらってウェブサイトに実装するというシステムです。
昔、スマホのない時期のウェブサイトは今のように複雑ではなくて、フロントもバックも一人でやりました。でも今は華やかなウェブサイトを求める上に、性能やスピードも重視で、フロントの技術も常に更新しています。
一人で全部やる会社はまだまだたくさんあるので、「フルスタックエンジニア」という職種があります。でも分けている会社も多いです。
フロントエンドに興味ある
私はどちらかというと、数字ばかりのデータベースより画面のフロントエンドが好きです。ちなみに、転職した知り合いのみんなはバックエンドにしました。将来的に多分みんなフルスタックを目指すので、今はどちらにしても構わないと思いますけど。
給料について、新人や未経験の時期はバックエンドの方は給料が良さそうです。勿論会社によりますけど、例えば性能が良いウェブサイトを求めてない、ただ動ける、使えるウェブサイトだけがほしいなら、フロントエンドに良い給料を出さないかもしれません。
SEとプログラマーは分けていないので、仕事の内容によって年収の差も大きいですね。
同じ未経験の新人だとしても、企業によって月給料は4万~7万元(19~33万円)の差もあります。
勉強方法、無料?有料?
プログラミングを勉強してみようと思い始めるのは、ブログを始めたと同じ時期でした。やりやすい方から始めようと思って、先にブログを始めました。ブログを始めて1年ぐらい経って、少し余裕を持っているようになって、少しずつ本で勉強していました。
1日30分程度だけで、図書館で借りた本で、HTMLなど難しくないものを楽しく勉強していました。
オンラインレッスン
2023年5月、仕事を辞めて真面目に勉強したいと思って、ネットで評価がすごく良い「JavaScript」のレッスンを買いました。Udemyというサイトは本当に神コスパです!
いつもセールをやっていて、2~3000円だけでとても質が良いレッソンを買えてあり得ないです!!わかりやすくて、詳しくて宿題もいっぱいあります。
ただし、英語のみです。中国語も日本語の字幕があるけど、字幕の翻訳は多分プロがやっているではなくて、偶に中国語なのに英語より分かりづらい時があります。
日本語の場合は良くわからないけど、Udemyで中国語でのレッソンはあるけど、英語授業の先生が優秀です。口コミも圧倒的に多くて良いです。
オンラインスクール
オンラインレッスンが安くてとても良かったけど、転職するに必要なスキルを把握できないです。台湾のプログラミング業界が重視するスキル、どれくらいできればいいか、広さと深さはわからなかったです。
ネットで検索しても情報がバラバラで曖昧で、時間も大切なので、方向を間違えたら余計の時間がかかっちゃうかもしれないし、2023年10月、30万円くらいのオンラインスクールに入会しました。
スクールはプログラミングエンジニアに転職する人に向けて、1からプログラミングの授業があるけど、正直Udemyの方はずっと良かったです。でもスクールは中国語なので、Udemyで英語で分かりづらかたものを中国語でもう一回勉強ができて助かりました。
時々、業界の人を誘って転職者に向けのイベントをやったりして、TA(ティーチングアシスタント)がいて質問があればいつでも聞けて、同じ転職するに頑張っている人にも出会いました。
Discordでスクールのチャンネルがあって、転職ができたとしてもそちらで業界の人たちと交流ができて、とても良いと思います。
勉強のスケージュールと気持ち
勉強は…実に楽しかったです。自分だってもびっくりしました。難しくてできない!っと思った時もあったけど、それを乗り越えた達成感で更に嬉しくなります!
「JavaScript」ってさすが初心者に優しい言語です。わかりやすくて、すぐ動けるウェブサイトを作られて、それで楽しくて次の段階に行くと、更に綺麗なウェブサイトを作れるようになって好循環です。
スケージュール
基本的に土日も休まなくて、毎日8~18時でした。18時以降はリラックスタイムです。
10時間に見えるけど、お昼ご飯と昼寝はちゃんとしていて、友達に誘われたら出かけたりもして、疲れたら休むし、無理しすぎないようにやっていました。
やっぱり自分が楽しんでいるから勉強時間が長くても、疲れるは疲れたけど苦しいや辞めたいと思いませんでした。むしろ人生で初めて自分が勉強したいから勉強しているように感じました。
学生時代の勉強は「しなければならないこと」なんだから、私には勉強は楽しい思い出がなくて、あくまで進学するの手段でした。でもプログラミングの勉強はもっと知りたい、もっとできるようになりたい気持ちで勉強していて、不思議なように感じます。
就活を始める
未経験なので、スキルを履歴書に書くだけではなくて、自分をアピールできる作品(ポートフォリオ)も作らないといけません。どんな技術ができるか、技術をどこまで理解できているかを全力で自己PRします。採用されるかどうかに繋がっているものなので、とても大事なものです。
2024年1月中旬、スクールの授業が終わって、ほぼまる2ヶ月間はずっとポートフォリオを作っていました。
3月末、求人情報サイトに登録
台湾は転職が盛り上がっている社会なので、日本に比べたらしやすいと思います。新卒だとしても、日本のように同じ時期(4月)入社することが少ないです。
つまり、新卒も中途採用も、1年中いつでも応募することができます。台湾で一番大きい求人サイトの104を登録して、テンプレートの履歴書を書いて、気に入りの求人に応募するという流れです。履歴書を一度だけ詳しく書いて、応募することは数分で終わります。
応募する企業によって履歴書を書き直すことはあまりしないです。履歴書にスキルがメインで、人柄や志望動機は書類選考が合格した後の話しです。台湾の企業は「研修制度」がなくて、スキル重視です。
計算してたら、今回の就活は合計42社に応募しました。書類選考が通過した企業は6社です。
就活の結果
今年景気が良いか運が良いか、1ヶ月だけで就職先が決まりました。
6社の面接を受けて内定3つをもらいました。
大手企業は狙ってない
未経験で新卒でもないし、学歴重視の台湾でこういう条件で大手企業に入れないと思って、最初から小さい企業しか応募していませんでした。
東京の内定
日本語試験N1のおかげで、日本での台湾の企業の内定をもらいました。少し怪しい会社ですが、私には初めて日本語で面接を受けて、まさか内定までもらえて、将来日本就職もありかなって自信をつけました。
コードテスト
コードテストというのは、面接中に面接官が質問をして、その場でコードを書いて質問を解けることです。コードテストが行う面接は、私100%落ちます。全部落ちました。
半年間勉強していたけど、4年間も勉強していた人には比べるものではないです。数字計算に苦手で、緊張もするし、元々コードを書くのが遅い方です。
自己PR
人の前でコードを書くのが下手ですが、話すのが得意です。あまり緊張しないタイプで自己PR、ポートフォリオ、プレゼン力を重視する企業なら受かる率が高いです。
30代転職の良いところは、自分の短所と長所をちゃんとわかっていることだと思います。20代より余裕を持って、自分に合う企業と合わない企業を区別ができて、余計の挫折を経験しなくて済むことはかなり良いと思います。
本命会社に惹かれるところ
未経験なので仕事の内容に拘ってないけど、初めての企業は、この業界に長く居られるように、職場の雰囲気や同僚、上司の人柄重視です。
あとわかままに聞こえるかもしれないけど、残業が嫌いで、ブログを続けられる仕事が良いと思っています。そういう条件に合えば給料は妥協します。
面接官は嫌なやつ
オンライン面接なのに面接官5分も遅刻しました。こちらは10分前から待っていましたよ。そして遅刻して謝ることもなくて、まるで早く終わらせたいようにすごく早口で業務紹介して、愛想もなくて私に興味がなさそうで、30分も経ってなくて面接が終わりました。
結局受からなかったけどとても不快な面接でした。
未経験だから我慢しろ
従業員500人以上、ネットの口コミが良くない企業だけど、面接のメールが来たので受けてみました。仕事はストレスだけど、いっぱい勉強できるよってアピールする企業です。忙しいのに良い給料は出さない、退職率も高いようだけど、私みたいな未経験の人に良いチャンスかもしれない…って
思っていたんですけど、我慢したくないですね。
給料は妥協できるけど、ストレスな仕事は絶対パスしたいです。
本命企業の一次面接
一次面接の面接官は優しいなお姉さんでした。「もし採用することになったら私上司ではなくて君の同僚です」って言いました。私のポートフォリオを見て、技術面の話しをして、あとは会社の良いところ、同僚、雰囲気などのことを紹介して、面接の最後に「君は優秀です」って笑顔で言ってもらいました…!
就活以来…「君はだめだ」しか言われてなくて初めて「優秀」って褒めてもらえて、嬉しくてすごい好印象でした。私は褒められて伸びるタイプです!
本命企業の二次面接
二次面接もオンラインで社長、PMと前のお姉さん三人で面接を受けました。2022年からまだ20人しかいない若いベンチャー企業だけど、政府の案件を受け取れて去年はもう黒字になったそうです。
社長が私に一番最初に投げてきた質問はまさか…「君、立ってますか?」(笑、社長も立ってて面接してる)
電動テーブルを購入した後、良く立っていて作業するので、まさか面接はテーブルの話しから入るのと思いませんでした。その後、会社の状況、仕事の内容、具体的給料の金額まで話しました。カジュアルな面接で、「キツイから我慢しろ!頑張れ!」みたいな雰囲気ではなくて、誠意を持って「うちの会社に来ませんか?」的でした。
英語より日本語の方が得意?って聞かれて少し驚いたような社長だった、普通みんなは英語の方が得意なんだね(私変わり者w)、あと日本旅行の話しも少しした~
ベンチャー企業なので給料は想像以上で、前職より少し高くてもう文句がありません。今の私にはこれ以上良い条件の企業はたぶんないと思って、内定を受けることにしました。
一番の挫折
プログラミング勉強は簡単ではないけど、難しいでもないと思います。勉強より感情を調整することは一番難しかったです。
悪い結果を想像してしまう
突然疲れたり、前向きでポジティブで居られなかったりする時に、「転職出来なかったら…」、「すごい給料が安い仕事しか見つけなかったら…」みたいなネガティブなことを想像すると、ストレスで泣いちゃうことは偶にありました。
焦って休められない
ほとんど休まなかったです。休んだ方が良いと思うけど、休みたいと思わなかったです。なぜかずっと焦っていて、時間を大切にしたくて…結局休もうとしても、焦っている気持ちを解消するに、また勉強に戻ることになりました。(それで半年間3キロも痩せた~)
でも友達に誘われたら絶対OKします。友達を利用して強制的に休むことにしました(笑)。
知り合いに笑われた
多くの人は応援してくれるけど、「私、転職する!」と言って笑われることもありました。「30代のくせに転職?」、「その業界給料安いだろう」、「どうせ良い仕事見つけないよ」などのことも言われました。
気にしないようにしたかったけど、気にしていました。良い仕事を見つけなかったら、今度会う時また笑われるなーって一時期落ち込んでいました。
でもすべての人が応援してくれることはそもそも不可能だとわかっているし、誰かにバカにされても仕方ないことです。感情を調整、気分転換などの練習もとても大事です。
ゼロから就職までかかった時間
- 2021仕事以外の時間で少しずつプログラミングを勉強
一日30分程度、よくサボってた
- 2023.5月カナダワーホリしながらプログラミングを勉強
旅行してない日に1時間
- 2023.10月台湾戻ってプログラミングスクールに入会
8~18時ずっと勉強の毎日
- 2024.2月就職用のポートフォリオを準備
- 2024.3月末就活スタート
- 2024.4月中旬就職先が決まった!
日本語を活かせる仕事やりたかったけど…今回も日本と関係ない仕事だ~
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